520日「ふくい市民共同発電所を作る会」設立!!

 去る5月20日、県国際交流会館において、「ふくい市民共同発電所を作る会」の設立総会を開催しました。「市民共同発電所」は、数年前から関東や宮崎、滋賀、大阪などですすめられている、自然エネルギーの小規模発電所を市民の共同で設置していこうという運動です。福井では、市民団体「エコプランふくい」が、市民が行う具体的な環境活動の一環として滋賀の市民共同発電所に学び、福井での設立を呼びかけたものです。
 設立総会では、滋賀の市民共同発電所の代表である、村本孝夫滋賀大教授の「エネルギー全体の問題の中で自然エネルギーの活用を考えることの重要性」についての記念講演を受けました。そして、「作る会」の会則等を承認し、代表に福井ソーラーハウス研究会を主宰されている、松尾斗伍郎福井大学名誉教授を選びました。

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 松尾斗伍郎代表あいさつ
 現在の人類社会では、世界人口の8割に及ぶ発展途上国の人達が貧困に苦しんでいる一方で、我が国を含む先進国に属する2割の者が地球資源を大量に消費して豊かな生活を送っています。途上国の経済成長を促すことによって、このような不公平な状況をできるだけ早く解消することが人類の最大の課題であります。しかし、これまで先進国がつくり上げて来た、資源の大量消費を前提とする従来型の技術体系を基礎に解決を図ろうとしても不可能であります。何故ならば、消費の増大によって資源の枯渇と気候変動などの地球環境への著しい悪影響が数十年のうちに現れると予測されるからです。特に重大問題とされているのは、化石燃料の使用によって放出される二酸化炭素など、温室効果ガスの大気中濃度が増加することであります。2050年に世界人口が100億に達するとし、その時点で、試みに世界のすべての人々が現在のEU諸国における一人当りのエネルギー消費量の半分を平等に消費するとすると、世界全体で必要とするエネルギー量は現在の約3.5倍に達すると見積られます。その大半をを化石燃料に頼ろうとすれば破局的状態となることは明らかであります。五十年先の正確な予測は困難ですが、これまでの科学技術の成果を利用するにしても全く新しい道筋を選ぶ以外に選択の余地はありません。
 このような認識が深まり広がるにつれて、人類がより豊かな生活に向けての発展成長を持続しうるためには、環境に調和した技術体系に基ずく社会構造に移行しなければならないという世界的な潮流がますます強まっています。17世紀半ばに始まり、百年かかって世界に広がった産業革命の結末としての現代社会から、21世紀は地球環境の尊重を前提とする新しい思潮とテクノロジーによって特徴づけられる社会への移行の時代であろうと考えられます。そのような社会は持続しうる、或るいは循環型社会と呼ばれています。
 具体的に新しい社会における電力生産の姿を考えてみますと、化石燃料や核燃料による大規模発電所への全面的な依存から、需要場所の近くに設置される分散型小規模発電装置の重視へと移行していくと考えられます。大規模発電の方が経済効率が高いという神話がくずれて環境も考慮した経済的観点からは分散型の方がよいということになるでしょう。分散型電源のなかでも太陽光による発電装置は、発電によって環境に全く負担をかけないという点で最も優れています。特に地球に豊富に存在する原料を使用したシリコン太陽電池は、現在では製造に要したエネルギーを約2年間の発電エネルギーで償却することが出来ること、長寿命でほとんど保守管理を必要としないこと、また構成部分の大部分はリサイクル可能であり、例え廃棄することがあっても環境汚染の可能性はまず考えられないというすぐれものであります。しかし発電による利益によって太陽電池システムの費用を回収するには現在のところ約30年はかかります。そのためにシステムの価格がさらに下がって市場原理にしたがって普及するようになるまで、世界的な規模でNGO、行政、企業などが協力しながら普及の促進をはかっています。「ふくい市民共同発電所」の試みはこのような世界的規模の運動の一つとしてまさに今日的な意義をもつと考えられます。